たとえ配偶者間や恋人同士であっても、外傷を負わせるほどの暴行や精神疾患を患うほどの精神的苦痛を加えた場合は当然暴行罪や傷害罪の対象となり、無理矢理性行為を強要すれば罪に問われる可能性もあります(鳥取地決昭61.12.17)。
しかしローマ法以来の家族観や、司法機関の介入により関係が破綻することへの危惧、犯罪性の認識の欠如などのため、「近親者からの暴力」について刑事介入がなされることは従来稀でした。また、離別しようとしても強引に連れ戻されるなどしてしまうことが多い、女性が被害者となった場合女性側の生活力が乏しいことが多い、近親者による暴力そのものが持つ依存的構造(共依存など)などのため、被害者が泣き寝入りする結果となってしまう傾向がありました。米国では1970年代後半から女性の権利闘争やいくつかの致死事件により、近親者からの暴力が耳目を集め、ドメスティックバイオレンスの概念が学問上創られました。
これに対し、現在は徐々にDVを不法行為と認める裁判例が出始め、NPOなどによる被害者保護活動も活発化してきています。日本でも2001年10月より配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律が施行されました。
また、加害者は一種の精神疾患であるとして、治療やカウンセリングの対象として捉えるアプローチも試みられています。